アンテナタワー奮戦記 W6ANA (ex JA3AZZ/JK1ANA)
萩原 啓生
はじめに

 1983年、私が渡米してきた時は太陽活動があまり活発でなく、仕事にも追われ、あまりアンテナを建ててまでという雰囲気ではありませんでした。1984年にロサンゼルス近郊のアルハンブラという街に自宅を購入し、やっとハムを再開ということでタワーを購入しました。そのタワーの説明書に市当局から必ず建築許可をとれと書いてあり、そこからが苦難の始まりでした。

*高さ制限は何と6m
 市のBUILDING DEPARTMENT(建築許可等を担当)に出向き、ハムの何たるかを説明することからはじめ、タワー建設許可はどうしてとるのかというところまで辿り着きましたが、担当のオジさんがやおら取り出してきた地図では私の住宅のある場所は「居住地区」の指定であり、建築物の高さ制限は何と20フィートと言うではありませんか。家を買う前に近所を廻り確かハムのアンテナらしきものもあり柾かと思っていましたが、その条例は2年前に出来たそうでそれ以前に建てられたものは対象外とのことでした。そこを何とかと言ったところで変わるはずもなく、スゴスゴと引き下がりました。
*ハムの友情は世界共通
 何も出来ないまま一ヵ月ほど経ったころ、アルハンブラ市の建築許可審査委員のジョンから電話があり、自分もハムであるという自己紹介がありました。
 彼は担当のオジさんから日本人が突然来てハムのアンテナを建てたいと言っていたと聞きつけ私に電話をしてきたのです。彼の話では、二年前に条例が変わりそれまで45フィートの高さ制限から20フィートに変わったそうです。彼自身ハムとして20フィートでは何も出来ないと思っているが市の職員である身分ではなにもできなとのことで、私に条例変更の申請人になるよう勧めました。手続きなど何も解らないと後込みしたところ、何も心配することはない、手続きは全部やっておくからから兎に角公聴会にでてきなさいということで訳の分からないまま事は進んでいきました。
*公聴会に出席、ドキドキしながら発言
条例変更成功!!
 ジョンからは、「あなたは公聴会でハムというものはどういうもので、如何に社会に役立つものか説明するだけでいい」と言われ、おそるおそるある日の夕方、公聴会なるものに出向きました。
 そこは裁判所の法廷然とした広い部屋で傍聴人も沢山おり、自分の発言の順番が回ってきたときには頭のなかが真っ白になりました。それでも、必死にハムのなんたるかを十五分くらい喋り役目を終えました。
 裁判官風の五人の許可審査委員(ジョンも中にいました)もアメリカにとって外国人の私の分かりにくい英語をよく最後まで聞いてくれたものだと思います。

 それでも条例変更手続きは半年ほどかかり、やっと45フィートの高さ制限の新条例が施行されました。

 以上が条例変更に至るまでの奮戦記ですが、その後も実際の許可を取得するまでには現YAESU USA副社長のMR.MARUYAほか沢山の方にお世話になりました。

*私の経験を通して得た
教訓を纏めると・・・
  • 家の購入、賃貸の契約前に必ず市の建築許可(BUILDING PERMIT)を出す部門に行って高さ等の制限を確認すること。

  • 住宅開発業者が組成したASSOCIATION(自治会のようなもの)があるかどうか確認し、あればその制限等を確認すること。(ASSOCIATIONのあるのはかなりの高級住宅地で大体アンテナは許可されないと思うべし=ハムは高級住宅に住むなと言うこと???)

  • 建築許可審査にはタワー及び基礎部分の対風速を証明することを求められる。従い、タワーの強度、基礎等に対するしっかりしたデーターを出してくれる信頼のおけるメーカーを選ぶこと。

  • 隣近所に恐怖感を与えないこと。(伸縮式タワーで運用する時以外は低くしておくのがベスト)=アメリカは訴訟の国で、何を理由に近所から訴えられるか分からない。

  • アパートでは大抵アンテナを上げる(出す?)のは許可されないが処によっては$100程度の保証金で認めてくれるところがあるので根気よく探して見る。

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