米国の免許制度再構築の詳細と旧制度での駆け込み受験の記録
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By Katsumi "Naky" Nakata
KE6RD/JE3AVS
3/1/2000
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はじめに
1981年に初めて米国で免許を取得、82年にアドバンスト級までアップグレード
したものの、小生はCWの食わず嫌いが祟ってしまい、とうとう今まで最上級のエク
ストラになれずに居りました。今度の米国の免許改正に当たり20WPMのCWの試
験が廃止になるとの朗報(CW派の各局、申し訳有りません)に接し一念発起、大方
20年振りにハムの免許試験を受験しましたので、その様子をお伝え致します。つい
でに免許制度改正について少し触れておきます。単なる受験記では無く、”外国では
こういう状況なんだ”という情報(日本と比較しての良し悪しではなく)の一つとし
て捕らえ、日本のアマチュア無線サービスのグローバル・スタンダード化に使える部
分が無いかを考える上での資料、と理解してお読み下さる読者が居てくだされば望外
の幸せです。
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目次
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- どうして免許システムを変える必要が有ったの?
- VEって良く聞くけど、何?
- 新制度と旧制度の違いって何?
- 実際の試験ってどんな感じ?
- じゃ試験を受けてみようか!
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1. どうして免許システムを変える必要が有ったの?
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USAでは民間の使用する電波を管理するお役所のFederal Communication
Commission, 連邦通信委員会がアマチュア無線サービスを監督しています。FCC
では2年毎に管理下のセクションに関わる法律の定期見直しを行っており、1998
年はアマチュア無線サービス関連のFCC法97条(FCC RULE PART9
7)の法制見直しの年に当たっていました。 予ねてよりARRL,国内試験ボラン
ティア評議会NCVEC(National Conference of Volunteer Exnaminer
Coordinators)らが中心となり、アマチュア無線サービスを活性化させる手段として
資格制度の再検討をFCCに再三陳情していた経緯もあって、一昨年以来本案件につ
いて一般の意見公募から始まる一連の検討が行われた結果、FCCの仕事納めの
1999年12月30日に現行の6階級を3階級にする決定が下されました。この再構築案の
バック・ボーンは”免許システムの簡素化による管理費用<税金の削減”、”身体障
害者のCW技術免除の線引き問題の解消””新しく免許を取る人が入門しやすく、ア
ップグレードしやすい制度”等、行政・ハム側の双方の要求が合致したところにあり
ます。
免許発行を含むハムのシステムが無料であるUSAでは、行政側の管理コストを下げ
ることは常に大事な関心事です。国際レシプロ免許の届出が不要になったのも、実は
その管理に掛かっていた費用の削減に理由が有ったようです。今回の6階級から3階
級への新規免許の発行の縮小は、それとは比較にならないほどの管理業務の大幅な軽
減、即ちコスト削減となるのは明らかです。
身障者のCW問題ですが、医師の診断書があれば13/20WPMのCW試験が免除になる現
行制度において、どこからが免除の対象になるかはっきりしたガイドラインがなく今
まで物議を醸していました。今回5WPM一本に統一することでこの問題も解決しま
す。何故なら5WPMは現在でも、ハンディキャップの有るハムにも上級資格アップ
グレードに問われている必須のスピードなのですから。
最大の関心である”入門しやすくアップグレードしやすい”免許システムについて、
大多数の意見(ARRL,NCVEC、QCWA等の団体、無線関連企業やプレスか
ら個人まで)は3−4階級で十分としていたものの、実際のクラス分けで一番の関心
事はCWの扱いでした。これについてFCCは”一般よりの意見公募をまとめると、
非常通信でCWが使われなくなったこと、軍(特に海軍の船舶)の通信からCWが無
くなり混信が有る際にCWで与えることのあった注意を聞き分ける能力が問われなく
なったこと、CWは現在の通信手段の中核では無くなったこと、CW技術の上達が無
くとも今後の無線技術の上達は望めることと言った意見からハイスピードCW能力は
問わなくても良い”と判断を下しました。このため、主にOT局の主張を入れた5W
PMと12WPMの2種類(ジェネラル以下5WPM,上級の13/20WPMの12W
PMへの引き下げ一本化)の試験を残すというARRL案を”国際条約が求める最低
スピード5WPMだけで十分”と退けたのです。
さらに目立ちませんが、PART97で変更が有ったのはクラブ局(一般ハム・軍用
娯楽無線局)のコールサイン割り当てを新しく任命するクラブ・コールサイン・アド
ミニストレーターに委譲し管理させる事、RACES(Radio Amateur Civil
Emergency Services)向けの別クレジットを廃止すること、不法アマ無線局監視業務
のボランティアへの委譲、です。クラブ・コールサインについては同一免許人が架空
のクラブをバンバン設立、バニティ・コールを申請して主に1X2,2X1のFBな
コールサインをガッポリ確保することが出来た現状を是正するもので、RACESク
レジット廃止は、非常事態の際でも一般ハムは緊急無線サービスの提供の”義務”は
無い(ボランティアは大歓迎)ことから、ハム免許以外に別途認められた自警組織に
参加している証明が求められる別クレジットのRACES免許を廃止したものです。
但し、これはFCCのお墨付きが不要になっただけで、RACESという活動そのも
のは残ります。不法アマ局監視は今までFCC直轄であった監視・法的措置行使業務
(免許停止、取り消し、連邦電波管理法違反による刑罰)の内、監視部分を一般アマ
チュア局よりのリポートに依存し、その報告を受けた場合にFCCが法的措置行使の
業務のみを行うことになったものです。これも負担費用削減に沿った考え方です。
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2. VEって良く聞くけど、何?
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生憎、正確な日付の資料が見当たりませんが80年代半ばにアマチュア無線試験の実
施を、FCCからハムのボランティア(無償奉仕)の手に委ね、FCCは合格者の免
許登録、発行業務のみを行うようにしたことから生まれた制度です。個々の試験官を
VE=Volunteer Examinor,彼らが集まって実際の試験をする団体をVET=
Volunteer Examinor Team, それらが使う問題用紙を作成したり、試験の結果を取り
まとめてFCCに提出したり、試験の場所や日時をコーディネートするのがVEC=
Volunteer Examinor Coordinator,それらVEC業務の協議団体がNCVEC
=National Conference of VECで、VE達から寄せられる試験問題の見直しに関する
意見や、VEC制度の運営等を協議しています。VEになる資格はジェネラル級以上
、18歳以上で過去に免許の停止、取り消し等の処分を受けたことが無く、アマチュ
ア無線関連業界の営業・管理部門(機器メーカー・ハム書籍出版・小売店等。経理や
出荷といった直接営利に関係しない部署に勤務するハムは除く)に在職しないハムで
、VECによる認定が必要です。VEC自体も営利を目的としない団体であること、
という定義が有りますがARRLとW5YI、incはハム書籍販売等営利に関係して
いるものの”FCCによって許可された団体は除く”という特例をクリアした、今の
ところ2つしかないセミプロ?VECです。営業部門とVEC業務を全く別に管理し
ていることが認められたものです。
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3. 新制度と旧制度の違いって何?
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4月15日以前に、旧制度で米国の特別級=エクストラ・クラスを取得するためには
、エレメント1A、1B,1Cの3階級のCW試験とエレメント2=30問、3A=
25問,3B=25問,4A=50問,4B=40問の合計170問からなる筆記全
てに合格せねばならず、飛び級は認められません。エレメント1Cと4Bだけを受験
してもエクストラにはなれないし、そういう受験自体が認められていないのです。但
し合格した全てのエレメントに部分合格証明が発行されますので、ダメだったものだ
けを受けなおすことで目指すクラスにアップグレードすることが出来ます。ちなみに
K6WQ伊津野OM(JA6LV/JA1WQ)は、昼食も取らず当時は記述式だっ
た全ての受験を1日でこなして合格、当時のFCCロングビーチの係官が”お前みた
いな奴は初めて見た”と目を白黒させたそうです。
旧制度でのCW試験の方法は、VEによって設問に対する答えを筆記させる場合と、
4者択一で答えさせる場合が有ります。筆記試験は全て4者択一のマークシート方式
です。それぞれの筆記試験エレメントにはサブエレメントと呼ばれる項目があり、例
えばエクストラのエレメント4Bの場合、サブエレメントE1−E9まで9種類=F
CCルール、運用、電波伝播、無線局設備、電子理論、回路部品、実用回路、信号と
送信、アンテナと給電に分かれ、さらにそれらがE1E(AMSAT関連の法規)と
かE9D(給電線とのマッチング)とかに細分されて合計で450問の問題が
question poolと呼ばれる出題可能問題集として用意されています。この中から各地
のVEが任意に問題を選択し試験用紙を作成します。全てのサブエレメントから最低
一つの出題をカバーしていれば、組み合わせは自由です。
4月15日以降は、これらのエレメントはCWのエレメント1=5WPMのみと、エ
レメント2、3(テクニシャン、ジェネラル)がそれぞれ35問づつ、エレメント4
(エクストラ)は50問の、合計120問の筆記合格で全資格が取得できます。飛び
級は相変わらず認められませんが、CW実技で2つ、問題数で50問が削除されるわ
けです。尚、現在の資格は今回の改正では”今後も変わることなく更新可能”とされ
ました。今後もアップグレード変更をしない局は、現在のままのクラス・運用範囲で
残ります。従い、今回の再構築案では、免許クラスが”廃止”されたものは無く、”
4月以降に新規開局する免許人に発行されなくなるクラスが3つ出来た”というのが
正確な定義です。今、必要な筆記試験を受け相応の部分合格証明を入手しておくとC
Wの2つが免除になる4月15日以降、改めてVEの元に行き書類にサインしてもら
うことで新制度におけるジェネラル又はエクストラの資格を申請出来ます。新制度で
のテクニシャン、ジェネラル、エクストラの運用範囲は現行のそれと全く同じです。
周波数のコーディネーションは”ハム界全体のコンセンサスが取られていない”とい
う理由で今回は見直しが見送られました。
現在免許を持っているハムの新制度への移行は”誰も損も得もしない”がベースにな
りました。
*旧制度の資格は残る。運用範囲は変わらない。そのまま更新も受け付ける。
*CWは5WPM、テクニシャンはCW不要。最低限だけ今まで通り残すので誰も損
はしない。
*今までより、どのクラスもアップグレードへの受験エレメント数が減る。
とは言っても、一番ワリを食らうのは小生を含む現在のアドバンストの、新制度にお
けるエクストラへのアップ・グレードなのです。何故なら他のクラスは今のエレメン
ト構成よりエクストラになるまでの筆記問題とCWの両方の数が減るのに対し、アド
バンストだけはCWの20WPMが無くなる恩恵は有るものの、今なら40問で済む
筆記が新制度では50問に増える上、現在の4A+4Bの出題範囲から再構成された
新問題を受けなければならないのです。現在の筆記での最難関はアドバンストの4A
で、エクストラの4Bは最上級としてVE試験官リーダーになれる為の関連法規、ベ
テランとして知っておくべきEME,パケット、画像、衛星、デジタル通信等の運用
と関連技術知識等が中心で、基礎部分の上級知識問題は4Aで済ませています。文系
一筋の小生は数字が沢山出て来る、あの難しい4Aを今更おさらいする気にはなりま
せん!これが、今回の小生の受験を決意させた真の理由なのです、HI。
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4. 実際の試験ってどんな感じ?
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旧制度のエレメント1A−1CのCW試験は模擬QSOを受信して、その内容からの
設問に答えるものと、1分間の”ソリッド・コピー”(全文受信筆記)が有り、形式
はVE達の判断に任されています。設問式でも四択式と部分部分がブランクになって
いて、そこに自分の受信した内容を筆記で埋める形式の2つがあります。設問式なら
名前、RST,QTH,OPの年齢等、実際のQSOの時と同じように要点メモを取
っておくだけでOKなので楽です。エレメントが上になるに従ってQSOの内容がラ
グチューっぽくなり、何エンティティQSOした、とか今晩誰それとSKED QS
Oするんだ、とかいう内容を追加チェックしておかなければなりませんが基本は同じ
です。設備はVEによって異なり、米搗きバッタで手打ちするのを聞かせる猛者のO
Tから、個人毎にヘッドフォンを割り当て、サイドトーンも好みによって各自調節出
来るFBな録音式セットを使うものまで色々有るそうです。VE試験の無かったその
昔、サンディエゴのFCC事務所で小生が受けた1A,1B試験は、教室のスピーカ
ーから流れるブーブー音での四択式設問でした。新試験のエレメント1でも、VE個
々のやり方を尊重することになりソリッド・コピー式、設問四択、設問ブランク穴埋
め式のいずれでも良いことになりました。
筆記の方は、日本の試験よりも実践的な内容が出題されています。今まではそれぞれ
のエレメントを1年ごとに見直し、問題の変更は各エレメントを取って見れば4年に
一回(2/3A、3B,4A,4Bの順に一年ごとに見直し)でした。エクストラの
4Bは旧制度のままなら2000年6月までは現行の問題が使われる筈でした。この
見直し作業、新問題作成も全てVEC団体が無線界の現状に沿って行うため自然に内
容が実践的になっている訳です。この伝統は当然新制度に引き継がれていて、エクス
トラの新問題は2002年、テックは2003年、ジェネラルは2004年の6月末
まで有効です。
手元に平成11年12月期の1アマ試験の問題が掲載されているCQ誌2000年2
月号があります。こちらのものとは全く趣を異にしているその問題を大変興味深く読
ませて頂きましたが、こちらのエクストラ級エレメント4Bの問題も見てみましょう。
Q:Why are spread-spectrum communications so resistant to interference?
A: Only signals using the correct spreading sequence are received.
なぜスペクトラム拡散変調が混信に強いのか?
拡散シークエンスに正しく合致する信号のみが受信されるため。
Q:Exceeding what design rating can cause a cathode-ray tube(CRT) to
generate X-rays?
A: The anode voltage
CRTの、どの設計値が超過するとX線が発生するか?
アノード電圧
Q:What are the best days to schedule EME contacts?
A: When the moon is at perigee.
EME通信のスケジュールを組むのに最適な日は何時か?
ペリジー(月が地球に一番近い時)の時。
Q: Before initiating space station transmissions, by when must the licensee
of the station give the FCC prior written pre-space notification?
A: Before 27months and before 5 months
宇宙局(衛星の意)の送信を開始する前に、その局の免許人は何時までにFCCに事
前届を提出せねばならないか?
27ヶ月前と5ヶ月前
間違いの答え3つは省略しましたが、ご覧の様に非常に簡素なもので所謂”引っ掛け
”問題のようなものは有りません。受験勉強のためのテキストブックは各社から出版
されていて、ハムショップやエレホビーショップで入手出来ます。中でもARRL、
ゴードン・ウエストWB6NOAの2つがメジャーですが問題集の部分は当然、全て
共通です。ただ決まりで問題と解答の内容は一言一句変えてはいけないことになって
いますが、4択の解答の順番はVEが並べ替えても良いことになっています。従って
、この問題の時の答えはA,という憶え方は意味が有りませんので注意してください
。本では答えがAでも、実際に受ける試験では同じ問題で正解がD、ということだっ
てあるわけです。この原稿を書いている2月末、新制度向けの解説本も初版が発売に
なりました。
以上に述べたことも含め、ARRL-VECの行う試験に関する全ての情報はアメリカ無線中
継連盟のウエブwww.arrl.org/で入手出来ます。HPのINFO&SERVICESをブラウズし
て下さい。試験日程や全エレメントの問題集(解説はついていませんが)等が分かり
やすく載っています。W5YI−VECも同じように試験に関する情報満載のウエブ
をwww.w5yi.orgに上げています。これらのサイトの豊富で”生”の情報やリンクは是
非USAで免許を・・とお考えの方には必見です。
新しい制度向けの問題集(QUESTION POOL)も、この原稿を書いている2月末現在、
完全にスペル・ミス等の”バグ”が取れていないβバージョン(HI)ですが既にサ
イトにアップロードされています。これらは4月15日以降の試験に有効となります
。やはり出題範囲が広がっていて、今更ながら駆け込み受験しておいて良かった!と
胸をなでおろしています。
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5. じゃ試験を受けてみようか!
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小生は2月12日、フロリダのオルランド・ハムケーション(ハムフェスト)会場で
受験しました。大抵のハムベンションやハムフェストでVE試験は受験出来ますし、
WALK・IN、飛び込み受験も可能ですが事前に予約しておくことを強くお勧めし
ます。当日持って行くものは写真付き身分証明書2通(パスポートと運転免許でした
が、実際は見られたのは一つでした)、おつりの要らない小銭で今の相場が$6ちょ
っとの試験費用実費負担(VEが持ち出しでやっている費用の”カンパ”とお考え下
さい、税金では有りません。場所により若干上下しますがNCVECで取り決めが有
り、今年は6ドル代です)、既に免許を持っているアップグレード試験の場合は今の
免許の正本とその複写2通、鉛筆数本、消しゴム。電卓も持ちこみ可能ですが計算問
題はアテズッポウをかますつもりでしたので私は持参しませんでした。40問中30
問以上の正解で合格ですから、苦手な計算問題は最悪出ても10問迄、中には分かる
ものも有るのでちょっと位は間違えても構わない、とタカをくくったのです。
さて試験当日朝早く、会場に行きフェストの運営委員に”試験受けたいんですけど・
・”と尋ねたら”えー、WALK・INは今回は無いんだよねー”とつれない返事。
幸いというか、小生の勤務先がハムフェストの出展者(出張のついでに受験・・・H
I)であったのでその旨を言って”なんとかなりませんかね?”とお願いすると、Y
Lの運営委員がHTでVEを呼び出し、”KE6RDってのがエクストラの試験受け
たいっていってるけど、いい?筆記だけだよー”と聞いてくれました。ラッキー!暫
くすると会場内連絡用のゴルフ・カートがお迎えに到着し、”XXXXX社のVIP
(!)、ピックアップ完了、そちらへ向かいます、オーバー!”とかQSPし始める
始末。最初ラッキーと思ったものの、考えて見るとVE皆に小生の仕事やなんかがバ
レバレで、これでもし落っこちたらモノ笑いのタネもいいところ、きっついプレッシ
ャーとなってきました。
連れて行かれた試験場はメイン会場の隣にある牛馬品評会場の、管理人室兼休憩所み
たいなところです。まず管理人室風のほうでチェックイン。お約束通りエクストラ級
のとっつぁん系VEが3人どっかり座ってます。簡単なアプリケーション・フォーム
に名前、住所程度のことを書いて免許・身分証明書を見せ、$6.15払い完了です
。本当は9時スタートなのですが、待っている人を尻目に”おめー、仕事あっから、
先に受けさせてやるよ”と隣の休憩所風のところに連れこまれ、問題と解答用紙を渡
されて”この問題、使いまわしすっから書きこんだり汚したりすんなよ、じゃグッド
ラック”と言われて合図も何も無しで試験開始。別のオッチャン系(同い年系、です
HI)VE3名が見張りをしている中、まずピンクの試験用紙の表書きを読みます。
マークシートの書き方程度で難しいことは書いてありません。ページをめくると、あ
るある。テキストを買ってから2週間、昼休みに弁当を食べながら毎日30分づつ勉
強(らしい雰囲気では有りませんでしたが・・)し、出張の飛行機の中でも隣に座っ
たお姉ちゃんに横目チェックをしばしば入れながら復習(いつもは移動中はひたすら
寝るのですが、こういうときに限って美人と勉強が重なる不運・・・)、さらに前夜
もビールを飲みながら最終仕上げをしておいた問題がしっかり出ています。
なんやて・・グレーライン伝播って何?おー、ローバンドで朝早起きして使うやつや
ん、よしよし。スミスチャートの直線は何?抵抗やな、会社の設計の部屋で見たこと
有るで・・、よしよし。ん?特定周波数のRLCネットワークにおける抵抗値の三角
コーディネートで、0.1マイクロヘンリー直列インダクターで抵抗値が20オーム
、周波数30MHZの時、ネットワークの抵抗値は幾らか?ほれこれや、日本語でも
何のこっちゃワケわからん・・でもこれはゴルド(ゴードン・ウエストWB6NOA
の愛称)の本にインダクティブの時は+を探せと書いてあったっけ、抵抗値は20や
し、そしたら20と+の入った答えは20+j19か19+j20か・・・まあ20
が先で堪忍しといたろ、といった具合にやっつけました。小生が”正統派”のイメー
ジを勝手に持っているARRL系のVEでしたので”意地の悪い、難しい問題を選ん
で出題してるんとちゃうやろか・・・”と気になっていたものの、蓋をあけると意外
に順当な(?)問題が並んでいます。30分も掛からないうちに40問全問記入が終
わりました。ABCDと並んでいるアルファベットの正解の上にX印を付けるだけな
ので記入は簡単です。途中で正規の時間の受験者各局が入ってきてガサガサし、ちょ
っと気が散りましたが、仕事があるし時間を掛けても居られません。読み返しチェッ
クもせず試験官に手を上げて、といっても狭い休憩所風、十数人も入れば満員ですか
ら手をヒラヒラさせて合図したら向こうも”こっち来い”の合図。管理人室風に戻っ
て今時珍しいポータブル・タイプライターを前にして座ったさっきのビール腹・トッ
ツアン系VEリーダーに問題と解答を渡すと”どうでえ、難しかったか?”と言うも
んで、”ヘヘヘ・・”と愛想笑いを返すとおもむろに下敷きに正解位置に穴をあけた
ような道具で採点が始まりました。見ている目の前で採点するのがUSAの常識(カ
リフォルニアの自動車免許試験もこれ、4択+下敷き採点セット)です。チェックし
てるのが非常に少ない・・・・大将、下敷き、間違ったやつ使うてるんちゃうかいな
、位置はきっちり合わせてるんかいな、ちょっと歪んでるで・・・と心配になりまし
たが程なく”コングラチュレーションズ、ユー・ディディット・プリティ・グッド!
”とのご託宣、合格したことより恥をかかなくて済んだ事でホッとしました。周りの
VEも所詮ハム仲間ですから”OH,ヨカッタネ”と南部訛りでお祝いの言葉を掛け
てくれ、くだんのタイプライターでぱちぱちと打ってもらった4BのCSCE(
Certificate of Successful Completion of Examination,部分合格証明書)を手に、
帰りはVIP待遇のカートは無し、”よっこらしょっと・・”とつぶやきながら徒歩
でメイン会場に戻りました。朝一番の”受験させて!”からタイプでぱちぱち、まで
あわただしい約1時間の出来事でした。
手元にあるCSCEは13センチX22センチ程の白い紙切れです。VEのコールは
N4VOX,N4VDO、そしてタイプぱちぱちの大将はKC4WYDの各OMでし
た。4月15日、LA空港の近所のハムショップJUN’Sで行われるVE試験会場
に行きこの”引換券”を、これも去年新しくなった、小生は初めて使う申請用紙FO
RM605につけて、もう一回$6ナニガシを払ってVEに提出すれば全て完了です
(その時にもVEに世話になるので”カンパ”を払うわけです)。現状なら3−4日
もすればQRZ.COMのアップグレード情報に名前とコールが載ります。そうなれ
ば免許証が来ていなくてもコールの後に”インタリムAE”とIDを出せば新しいエ
クストラの運用範囲でQRVが可能になります。もし1Cの20WPMも合格してい
れば、オルランドでFORM605を記入、提出して終わりだったのですが・・・ま
、いっか。
エクストラ・コールの発行状況は2月末現在でAD6の真中辺りですから、4月まで
に出ていなければAE6RDでバニティコールを申請しようかな、やっぱ馴染みのK
E6RDをキープしようかな、どっしよっかな・・とツラツラ考えて居るところです。
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